FOMAのHSDPA、思ったよりスピード遅くないか

約半年程前に私は、RinRin王国さんにもリンクされた「これではFOMAは地方での通話エリア以外やばくないか 」と言う記事をかいた。大まかに言うとFOMAの通信スピードが当時で実質64Kbps以下になっていると言う内容の記事だった。さて、

WIRELESS JAPAN 2006でドコモのN902iX HIGH-SPEEDが実機展示されたとの事だがそのスピードはどうなっているのであろうか?。サービス導入した時の理論上速度は下り最大3.6Mbpsだが本当にそんな速度はでるのであろうか?。

懸念は半分当たり、半分は外れていた
何故なら、HSDPAの通信方式はCDMA 1x-winと同じベストエフォート方式(詳しくはこちらから。e-wordsより)だからである。最高速度が下り最大3.6Mbpsとなってるがそんな速度は滅多に出る事はCDMA 1x-winの例から言って、日常の使用方法ではありえないに等しいとも言い切ってよいかも知れない。

ちなみにこれ(ケータイWatch記事にリンクします)を見てもらえば分かる通り、思ったよりは速度は出ていない。見れば分かると思うがせいぜい2.22倍ぐらいしか早くなっていないのだ(つまり、FOMAが約64Kbpsで通信していると仮定すると約142KbpsでドコモのHSDPAは通信している事になると言う物である。実際はベストエフォート方式のせいでそんなに単純でもないらしいが条件が良くても500Kbps程度しか速度は出ないだろう)。

実はHSDPAを導入する理由は1つあって、こちらの方がキャリアにとっては非常に重要になってくる要素になるのだ。その要素とは、

電波帯域の利用効率の向上の為である。テレビ放送でデジタル放送化を進めているのと同じ理由である。

ドコモは先日、FOMAmovaの契約者数を逆転したとのアナウンスがあったのだがそうすると最終的には残りの約2500万人近くのmovaユーザーをFOMAに移行させて行かないといけない(テレビ・ラジオ・無線・携帯電話の電波帯を含めた、日本の電波帯再編のスケジュール上、2011年にはmovaは停波されるであろう)のであるがそうするとユーザーが他キャリアに比べて圧倒的に多いので今のFOMAのメイン電波帯である2Ghz帯の割り当てだけではそれらのユーザーを抱えきれなくなると言う事情がある(FOMAの通信速度が384Kbps→64Kbpsになったのはそういった事情が絡んでいる)。かと言って繋がりやすい800Mhz帯の割り当ては2011年までは増加しない。ここにドコモが顧客に言えない悩みがある。

だから、903i〜903iS辺りでHSDPA機を本格的にラインナップに並べてきたら、auのようにインセを投入してキャンペーンしてでも旧機種の”巻き取り”を顧客に勧めて来る可能性が無きにしも非ず、と個人的には予想する(auの場合はCDMA 1x機と勝手アプリがJavaである1x-winの初代専用機であるW11H&W11Kを”抹殺”するためにキャンペーンを張って巻き取りを進めた例がある)。